八代集の世界：北山切新古今集

うしと見し世ぞいまはこひしき
　　　寂蓮人々すゝめて百首哥よ
　　　ませ侍けるにいなびて侍て熊野ニま
　　　うでける道にて、ゆめになにごと
　　　もをとろへゆけど、このみち
　　　こそ世のすゑにかはらぬものハ
　　　あれなをこのうたよむべきよし
　　　別当湛快三位俊成ニ申とミ侍て
　　　をどろきながらこの哥をいそぎ
　　　よミいだしてつかハしけるをくに
　　　かきつけ侍ける
1844　　　　　　　　西行法師
すゑのよもこのなさけのミかはらずと
みしゆめなくハよそにきかまし