1860
おもふこと身にあまるまでなるたきの
しバしよどむをなにうらむらん
この哥ハ身のしづめる事を
なげきてあづまのかたへまか
らんと思たちける人くまのゝ
をまへに通夜して侍けるゆめに
見えけるとぞ
1861
われたのむ人いたづらになしはてば
また雲わけてのぼるばかりぞ
賀茂の御哥となん
1862
かゞみにもかげみたらしのミづのおもに
うつるばかりのこゝろとをしれ
これ又かもにまうでたる人の
ゆめに見えけりといへる
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