(初段・春日の里)…元服したばかりの主人公が、奈良の春日に鷹狩りにでかけ、思いがけず美しい姉妹を見つけて早速歌を贈る。見開き両面を使った大きな絵を用いる点、「嵯峨本」と比べ人物を大きく描き、その美しさを強調する点は、どちらもこの時期の絵入り本の特徴である。塀の外では主人公が邸内をのぞいているが、その視線の先には美しい姉妹が…。右上に鹿を描くのは「嵯峨本」と同じだが、絵の雰囲気はすっかり変わっている。
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