(六十段・花橘)…自分のもとから去った女と再会し、「五月待つ花橘の香をかげば」の歌を詠みかける主人公。この絵は、「嵯峨本」などの構図から六十段の絵と知られる。「嵯峨本」では主人公が橘の枝を手にしていたが、ここではそれが描かれず、手前の人物も童子に変わったため、この絵だけではどの章段を描いたものかわからなくなっている。また、ここでも、章段の順序が混乱している。
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