八代集の世界：北山切新古今集

1555なにはがたしほひにあさるあしたづも
月かたぶけバこゑのうらむる
　　　和哥所哥合に海邊月といふことを
1556　　　　　　　　前大僧正慈円
わかのうらに月のいでしほのさすまゝに
よるなくつるのこゑぞかなしき
1557　　　　　　　　定家朝臣
もしをくむそでの月かげをのづから
よそにあかさぬすまのうら人
1558　　　　　　　　藤原秀能
あかしがたいろなき人のそでを見よ
すゞろに月もやどるものかハ
　　　熊野にまうで侍しついでに切目
　　　宿にて海邊眺望といへるこゝろを