関西大学図書館電子展示室:八代集の世界 KANSAI UNIVERSITY


詞花和歌集
基本情報
下命者:崇徳上皇(1119〜1164)
成立年次:1151年頃(推定)
撰者:藤原顕輔
収録数:約410首
巻数:10巻
序文:なし
収録された主な歌人:曾禰好忠、和泉式部、大江匡房など
説明
平安期6番目に成立したもっとも小規模なの勅撰和歌集。六条藤原家の歌人が単独で選者となった唯一の勅撰集。「金葉和歌集」の部立てに近い、四季、賀、別、恋、雑の部立てによる10巻で構成される。一方、収録された歌人は、曾禰好忠、和泉式部、大江匡房など全時代の歌人が多く、この点はその時代の歌人の作品を多く収録した「金葉和歌集」と異なるところである。また、当代の歌人の作品は原則として1人1首となっている。
千載和歌集以降の平安期和歌の最盛期へ向けての過渡期に成立しているが、それゆえに古今風の継承と、新規な表現が混在し、その多様な歌風は当時の歌壇の幅広さをあらわしている。一方で、「金葉和歌集」の奔放さと、古今集以降の勅撰集の格調のいずれの面でも不徹底であるとの批判もあった。
詞花和歌集 1帖 江戸時代前期写
切出歌1首(239番)を備え、かつ異本歌3首を持つが、新編国歌大観本に比して10首の歌を欠く。本文的には書陵部(400・10)本に近い。