関西大学図書館電子展示室:八代集の世界 KANSAI UNIVERSITY


金葉和歌集
基本情報
下命者:白河上皇
成立年次:1126年とされるが、確証はない
撰者:源俊頼
収録数:初度本、二度本、三奏本があり、さらにそれらの中でも、諸伝本が存在するため、明確な歌数は未詳。
巻数:10巻
序文:なし
収録された主な歌人:初度、二度、三奏によって異なるが、白河、堀河の両歌壇を主軸に、摂政忠通家歌壇の参加で構成されている。二度本では、源俊頼、源経信など。
説明
金葉和歌集は、天治元年(1124)に白河法皇の院宣を奉じ、大治元年から2年にかけて3度にわたって奏上された。これが、初度本、二度本、三奏本である。金は褒美の詞、葉は言の葉の意味で、すぐれた詞華の集を意味する。
初度本は三代集歌人と当代歌人とを配した伝統的な撰集原則によったものが法皇に返却された。二度本においては構成主体を全て当代歌人にする撰集仕様とし、破格の革新的な撰集方針を示したが、これも返却された。そして、最後に奏上されたのが、初度本の切出歌を復活させ、拾遺集から当代に至る歌人の歌を均衡させ再編成した三奏本である。このそれぞれ本文を持つ金葉和歌集の三本の中でもまた諸本があり、正しい成立年次、歌数は明確ではない。
部立は春、夏、秋、冬、賀、恋上下、雑上下の10巻の構成である。雑下に連歌の小項目を独立させているのが、それまでの勅撰集の定型を破るものとなっている。
金葉和歌集 1帖 江戸時代前期写
全体としては二度本だが、二度本の中でも最も精撰された新編国歌大観本と比して、23首にも及ぶ切出歌を持つ。